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2017.07.10

下痢

下痢と言われると形がなく水分を多く含んだ便と思われがちですが、便量が増える場合も下痢と同じ病気だということがあります。下痢は大きく分けて大腸が原因の場合と、小腸が原因の場合とに分かれます。さらに、急性と慢性で治療も異なってきます。普段よく診察するのは急性の大腸性の下痢です。便の回数が異常に増えて、量が減ります。血液や粘液が混じることもあります。ゼリー状の分泌物が出てくることもあります。原因はよくわからないことも多く、食べ物や環境の変化などが推察されます。治療せずに数日で治ることもあります。

急性の小腸性の下痢は、おう吐を伴います。下痢の回数は変わらない場合や増える場合があります。便に血液が混じっても赤くはありません。コヒー色から緑色になっています。膵炎や伝染病などが考えられます。原因は硬い異物や油分を多く含むものを食べたり、血液のコレステロールや中性脂肪が高いとなりやすく気をつけないといけません。

慢性の腸炎は、数週間続く場合に考えていかなくてはなりません。大腸でも小腸でも原因は同じものです。原因は細菌性、アレルギー性、腫瘍または脂肪の吸収不全に分けられます。

腫瘍を疑う場合は病理検査が必要です。エコー検査で腫瘍が疑われる時は、始めに針生検をします。ただし、この検査で判るのはリンパ腫など円形細胞腫と呼ばれる腫瘍のみです。この検査方法では癌の判断は難しいです。癌が疑われる場合は、組織検査をしなければなりません。腫瘍以外の腸炎は、1つは治療の反応をみて判断をしていくか、犬種によって病気を絞っていく方法を取ります。

腸で細菌が増え下痢が始まる病気は大型犬でよく診察をします。中には肝臓の酵素が増えてしまう場合もあります。下痢が止まると肝酵素も正常にもどります。抗生剤を使って治療をします。2から3週間の投与が必要です。細菌が増えなくなるように、繊維の多い食事や脂肪分の少ない食事を与えて予防をしますが、年に数回の下痢は避けることが難しい病気です。

アレルギー性の腸炎は、抗生剤で良くならず、ステロイドなど免疫抑制剤の効果がある腸炎です。胃炎も起こしていることもあります。病理検査のメリットはありません。病気は完治することも、完治しないいこともあります。食事のアレルギーの検査をしていただければ、食べても良いもが判ります。ただし、リンパ球のアレルギー検査でしか判断できず、IgEの検査では原因が特定できません。検査で食べるものがない場合もあります。免疫抑制剤での治療が必要になります。大腸炎が続くと、ワンちゃんの場合はポリープが出来ることがあります。ミニチュアダックスフンドに多いと言われています。違う犬種で経験しましたが、あまり見る病気ではありません。出来たポリープは切除しなければなりませんが、食事を変更して良くなりました。

脂肪の吸収不全はリンパ管拡張症と呼ばれる病気です。腸と並行してリンパ管が走行しています。リンパ管は吸収した脂肪を運ぶ役目を担っています。リンパ管につまりが出来ると脂肪分が吸収できません。この病気に生まれた時からなっているワンちゃんもいます。ヨークシャテリアに多いと言われています。高齢になれば、ガンなどがリンパ管につまってこの病気になることもあります。食事での管理や原因となる病気を見つける必要があります。

病気ではありませんが、大きいワンちゃんや活発なワンちゃんは始めの便は硬くても、回数をするうちに柔らかくなることがあります。